ソライト

自然や旅、キャンプやアウトドアに関する事などについて、自分が感じたことや思った事などについて書いています。

【キャンプ小説】ある休日の平凡なデイキャンプ

「※この話は、どこにでも居るごく普通の男性の、ごく普通の「デイキャンプ]の話。(フィクションです。)」

 

森の中のキャンプ場でタープを張っている

夏のある日、、、。

 今日は休みだったので、一ヶ月振りのキャンプに行くことに。

場所は山奥にあるキャンプ場、季節は夏、、、。

暑い日が続いていたので、少し涼しい場所をと思い山奥のキャンプ場にした。

僕自身キャンプを始めて一年程が経つけど、キャンプは月に一度行けるか行けないかなので、テントを立てたり火起こしをするのは、少し慣れてきたかなぁと言う程度。

今日のデイキャンプの予定としては、新しく買った「タープ」を試し張りするのと、ちょっとした軽食と称してあの「ジブリ飯」を食べようかと思っている。

車に必要なキャンプギアを積み、まずは食材を買いにスーパーへ。

いつもの行きつけのスーパーなので、何がどこにあるかなどはお手の物で、すぐ買い物は終了した。

駐車場に戻り辺りを見回すと、キャンプかハイキングに行きそうな服装をしている親子やカップルが居た。

この近くは自然がたくさんあって、キャンプ場はもちろん、ハイキングコースや川がたくさんあり、こういった人達は週末になるとよく見かける。 楽しそうな顔をしているのを見ると、こちらも楽しくなってくる。

そして車に戻り、これから20分程キャンプ場までのドライブが続く。

僕はキャンプやアウトドアに行く時に車中でかける音楽は決まって、それは「奥田民生」の「さすらい」。

休日に、しかもアウトドアに出かける時にこれを聞くとテンションが上がる。

対向車の方を気にしながらも対向車が居なくなったら、カラオケ気分でついつい歌ってしまう、時々あまりにもテンションが上がって熱唱してしまい、気づいたら後方の車の人にバックミラー越しに目があった気がして恥ずかしい思いをよくしてしまう。

そんな感じの楽しい気分で車を走らせていると、キャンプ場に着いた。

ここのキャンプ場は、僕が住んでるところから割と近いところにあったけど、今回が初めて。

ここは山奥の無料キャンプ場で、知る人ぞ知ると言うようなキャンプ場らしい。

ワクワクしながらテントサイトに車を入れると、他のキャンパーの人達が数人居た。

皆のテントやタープは色んな色や形があり、どれも個性があって良い。

キャンプギアは、その人の個性が出てくるのでおもしろい。

とりあえずスペースのある場所を探して車を止める。 車内はクーラーを付けて窓を閉め切っていた、少しドアを開けると夏の暑い空気が車内に入ってきた、おもむろに外に出るとセミの鳴き声と共に暑い日差しが差している、しかし山奥のせいか幾分、涼しい感じもして気持ちが良い。

そしてギアを荷台から降ろす事に、今日はデイキャンプなので荷物も少なめ。

ペグやハンマー、チェアやその他のギアも降ろしていく、そして新しく買ったタープが「DDhammocksのタープ」だ。

近年はキャンプブームが再来していて、その中でもソロキャンプが流行っているらしく、数あるタープの中でも「無骨」でいろんな張り方ができるとされている「DDhammocksのタープ」を買った。

色は悩みに悩んだが、オリーブ色にした。 緑が綺麗な今の季節にはピッタリだと思って、広げるのが楽しみ。

今日が初開封のタープ、早速広げる事にして中身を取り出すと、タープ意外にいろいろ入っていた。

ネット通販で見たときはあまり内容物を見ないで、YouTubeなどで広げているところぐらいしか見てなかったので気付かなかった。 よくこうゆう事はあるので今ではあまり気にしていない。(笑)

もちろんロープなどは今まで使っていた物があるので大丈夫。

とりあえず、今回の張り方はメジャーとされている「ダイアモンド張り」と言うものに挑戦してみる。

あらかじめYouTubeなどを見て、張り方の予習はして来たものの、うまく張れるかどうか。

とりあえずタープを広げてペグを打とうとしたら他のキャンパーさんから挨拶をされたので、こちらも挨拶をした。

そしたら、僕の広げようとしているタープを見て少し興味を持ってくれたのか「おっ、DDタープですか?」と聞いて来た。

「そうです!(笑顔)」

と、笑顔で返した、新しく買ったタープに反応してくれたので少し嬉しかった。

話をしていると、どうやらその人はDDタープを買おうか迷っていたらしく、たまたま僕が広げていたのを見て興味を示したらしい。

こう言ったことは、キャンプ場でよくあることで、キャンパー同士の交流にもなるし楽しい。

何分か話して、その人は「私も近々買います!」と言い、その場を後にして自分のテントに戻った。

その人のテントの方をチラッと見ると、どうやら一人で来ているらしい、僕も今日はソロキャンプ。

キャンプ場に来ているソロキャンパーは、ソロ同士と言うことで話しやすいと言うのが、キャンパー同士の中ではあると、僕は思っている。(笑)

そんな事もありながら、広げていたタープを少し苦戦しながら設営していく。

他のキャンパーさんもいるので、下手だと思われたくない思いがあり、予習してきた事を思い出しながら集中して設営していく。

大きな間違いもなく、なんとか設営が終わり、他に用意していたギアも設営していく。

そして一通りの設営が終わったので、少し休憩をと思いチェアに座りながら森に囲まれたキャンプ場の自然を味わう事に。

セミ」や「鳥」の鳴き声、木々が風に吹かれて揺れる音、他のキャンパーさんがペグを打つ音。

いろんな音が混ざり合っている、キャンプ場のこの音が好き。

自然と言う、普段の生活から解放された空間の中に、そして同じ目的を持った人達が集まっているキャンプ場が本当に好きだ。

少し休憩をしていると、1組また1組と新たなキャンパーさん達が来た。

山奥のキャンプ場だけど、意外や意外に多くて少しビックリした。

だんだんと賑やかになってきたキャンプ場で、僕はキャンプ飯を作ることにした。

今日のキャンプ飯はあの「ジブリ」に出てくる、パンに目玉焼きを載せた「ラピュタパン」!

、、、を、少しアレンジして、「ベーコンとチーズ」も載せる事に!

まずは、目玉焼きやベーコンなどを焼く事に。 キャンプ場でトースターはないので、パンと別々に焼いていく。

卵を割り、フライパンに卵が落ちると「ジュ〜!」と言う音が響き渡る。

軽く焼けた目玉焼きを端に寄せ、続いてベーコンも焼いていく。 ベーコンの焼ける音と匂いがなんとも言えず、食欲を掻き立てる。

時間は、だいたい昼頃。

他のキャンパーさんも、昼ごはんの準備に取り掛かってキャンプ場が少しさわがしくなってきた。

キャンプ場の空に上がっていく焚き火の「煙」がまたキャンプ場ならではの風景で良い。

そんなキャンプ場の雰囲気を味わいながら、作るキャンプ飯も最高に贅沢な時間。

そして出来上がった「ラピュタパン」を記念としてスマホのカメラで撮る。

ここで気をつけなくちゃいけないのが、男一人でご飯の写真を撮るという行為を他の人に見られてしまうという事。

まだ、友達や彼女と来ていれば話しは別だが、男一人となると少し恥ずかしい。(笑)

チャンスを伺いながら、良い角度で写真を撮る。

視線を感じると、撮っていないフリをする。 そもそも自分の事なんて誰も見ていないんだけど、こういう時って妙に視線を感じてしまう。

そしてあるはずもない視線をかいくぐって、なんとか写真に収める事に成功し、いよいよラピュタパンを食べる事に。

一口食べ、すぐに二口目も食べる、おいしいものを食べるという、最高の至福の時間を過ごした。

食後は、大好きな「コーヒー」を飲む事に。

今回はデイキャンプという事もあって、手軽に済むように「スティックタイプのコーヒー」を飲む事にした。

時間があるときや、家ではコーヒー豆を挽くところから作ったりする。

自然で飲むコーヒーは、これまた格別!

スティックタイプでも充分おいしい。

ゆっくりとした時間を自然の中で味わう、、、と、そんな楽しいキャンプの時間もそろそろ終わりを迎えて片付けをする事に。

ちなみに今日は「土曜日」。

他のキャンパーさんのほとんどが、泊まりのキャンプの様子。

僕は明日、別の予定があるので今日は帰らないといけない、キャンプ場を後にするのが少し寂しい、、、。 こういう経験をするキャンパーさんはきっと多いと思う。

その気持ち凄く分かる!

夜のキャンプはキャンプで、また違った楽しみがあり、いつもデイキャンプの後は一泊していきたいなぁと思う。

一通り片付け終わってキャンプ場を見渡す。

ふと、タープを設営している時に話しかけてくれたキャンパーさんに目が止まり、さっき話しかけてきてくれたので、僕もと思い、軽く帰り際の挨拶をする事にした。

どうやらその人は泊まりのキャンプみたいで、テントサイトには蚊帳付きのテントを張り、しっかりと虫対策もしている様子。

そして何の気なしに、「今日の夜ご飯は何ですか?」と聞いたところ、分厚い、名前も聞いた事もない「ステーキ」だと。

「うらやましぃぃ」、、、と心の中で思い、半ば悔しさを持ちながら、挨拶をして帰る事にした、、、。

そして僕は、車の中から他のキャンパーさんに頭を下げつつ、キャンプ場を後にする。

帰りの車の中では「奥田民生」の「さすらい」の歌が流れている、、、。

今回のキャンプはもちろん楽しかった!

、、、けど、次は「泊まりのキャンプ」をすると誓い、歌を歌いながら今日のキャンプは終わった、、、、、、。

ある休日の平凡なデイキャンプ 「短編小説」